2021/12/16
よねんめのK:語源が業界用語に聞こえるランキング第一位
このところいくら食べてもなんとなくずっとお腹が空いていて、何かにエネルギーを吸い取られているとしか思えない方のKです。
最近発射されたあのロケットの動力にされてる?
ところで皆さまは、愛すべき我が故郷・松山の郷土菓子『タルト』をご存じでしょうか。
こういう華やかな洋菓子を想像した方は、今すぐ「松山 タルト」で画像検索をかけてください。
いらすとやには置いてなかった。
検索しましたね?ありがとうございます。
今日のおやつはタルトよ。と言われて某フェボンをイメージしながら待っていたお子様なら確実に泣くと思いますが、「薄く焼いたカステラ生地で餡を巻いて作るロールケーキ状のお菓子」こそ、松山で言うところのタルトです。
改めて文字に起こすとあまりにもタルト感がないですね。
ですがあの華やかなタルトもこちらの穏やかなタルト(精一杯のオブラート)も、そのお名前は古代ローマ時代の「トールタ」というお菓子に由来するとのこと。
前者は洋菓子の中でもかなり陽の方に位置づけられているように感じますが、同じ語源ポジションに鎮座してて平気かな。
なかなか強気だぜマイスイートホームタウン。
なんだか可哀想になってきたところで、ちょっと故郷への愛でも語って均衡を保とう。
愛媛にはUターン就職して教師となった人間が必ずホームルームで披露する「かえってこーわい問題」という小噺がございまして、こちらは県内で義務教育を受けるとそこそこの頻度で耳にするのではないかと思います。
「愛媛で一般的に使われている去り際の挨拶『かえってこーわい(=帰ります)』は県外で使うと『一旦帰ってまた戻ってきます』という意味に受け取られてしまいがちなので気をつけてね」というだけのお話なのですが、これまでこの話を聞かせてくださった先生方のどこか誇らしい表情から察するに、「意味を誤解されやすい方言は確実にネタになるので他県民の前で存分に披露するがよろし」という教訓が込められていると見た。
そういう意味ではグリム童話に近いですね。
そんな感じで伊予弁の英才教育を受けて育ったKも、高校卒業と同時に本州・岡山へと進出。
愛媛県民としての誇りを失わずに生きてゆくぞという決意も束の間、ひと月後には岡山弁ネイティブのような顔つきで桃太郎大通りを闊歩していたのでした。
もちろん語尾は「やけん」から「じゃけえ」へ。日和見主義万歳。長い物には巻かれてなんぼ
ちなみにWikipedia【伊予弁】のページには、「『かえってこーわい』は『会話をうち切って帰宅を知らせる挨拶』に他ならない」、「言われた場合は帰宅の挨拶を交わしてその場を立ち去るのが正しい」と書かれていました。
それは確かにそうなんですが、もうちょっと書き方があるのでは
そんな「かえってこーわい」、特に愛媛県出身でない皆さまも是非飲みの席などで頻繁に使って現場を混乱に陥れてくださいね。
なお私は未だに使うタイミングを掴みそびれています(普通に伝わらないと困るので匂わせ程度に「帰ろうわい」などと言っている)(愛媛県民の誇りどこ)
愛を語れば語るほど釣り合いが取れなくなってくることがわかったので方言の話はこれでおしまいです。
話は戻って、語源となった古代ローマのお菓子「トールタ」。
そのままだと食べにくいジャムやクリームを食べられる器に入れて出そうとしたのが始まりらしいです。
なるほど。わかる
となってくると尚のこと、「薄く焼いたカステラ生地で餡を巻いて作るロールケーキ状のお菓子」についてはどう説明するのか。
アマゾンの奥地に出向いたとて解明できない謎もある。
年末年始の帰省ついでに松山市内で現地調査を行う方向で固まりました。覚えてたらやります。
松山のタルトはいろんなメーカーが出していますが、味の違いに気づいたことはありません。
忘年会や新年会で「利きタルト」を開催したらかなり盛り上がると思いますが、同時に血糖値も命に関わるくらい上がります。
お土産に買って東京に戻ってくると、駅構内のコンビニエンスストアで普通に売られていて微妙な気持ちになることでも有名。
そこも含めて是非愛してください。
~タルトタタンも美味しいよね~
ここまで書いておいて何ですが、正直に申し上げますとKのイチオシ愛媛土産は「霧の森大福」です。
目の前に出されると、普段から特に持ち合わせていない冷静さを改めて失うくらい大好き。
ここで具体的な魅力を語るのはタルトに申し訳ないので各自ググってください。