2021/01/09
エスよりアイをこめて~おすぎとピーコが大好きだった~
おすぎとピーコが大好きだった。ラジオから流れるおネエ言葉の二人の軽快な会話は
小、中学生の私にはとにかく面白くてよく聴いていた。今でも二人が大好きだ。
「あのね~靴っていうか足元で人生を表現できちゃうわけでしょ、足の裏とかさ
靴の汚れ方とか脱ぎ方とか、そのあたりで人物表現するって映像の世界では大切でしょ」
「40歳過ぎたら、首に巻くスカーフとかストールのおしゃれすべきよ。そのための
30代までがあるっていっても過言じゃないのよ、色、素材、いろんな教養身につけて素敵に年重ねて欲しいって思うわ~。その意味でね、この映画のこの女優さんのファッションはほ~んと勉強になるわよ~~~」
二人から繰り出される映画とファッションの話がどれほど役に立ったかわからない。
どれだけ映画を観ることに深みを与えてくれたかわからない。
ふと思った。
今以上に“男らしさ、女らしさ”が重んじられていただろう時代に、今では市民権を得た
おネエ言葉を使う双子の男子の母親ってすごいなって。彼らの感性を自由に表現させたからこそのおすぎとピーコなのだ。“らしさ”とか、“世間の当たり前”とかを度外視して子育てすることは時には困難であったろう。お二人の母は偉すぎる!!凄すぎる!!
男と女、ふたつに分けるなんてナンセンスなのだと最近はとくに思う。
染色体の数や形によって様々な命が存在するのだ。それによって個性あふれる生命体が
あるのだ。そのことを認める社会であって欲しい。
「誰だって誰かのヒーローになれる」 広岡真生 著
ひょんなことから出合った、ダウン症児の子育て日記である。当たり前や普通でないことへの親御さんの戸惑い、不安、そして喜び。素直な表現にとても引き込まれ楽しく読めた。
そして出生前診断によって、彼らがこの世に誕生することが阻まれていることを知った。命の選別。難しい問題かもしれない。しかし染色体の数や形で生命を選別していいのかとやはり思った。いろんな命があるからこの世の中は素敵なのだ!!
この本を読んでいて思いだした映画がある。
「私は2歳」松田道雄 著 市川 崑 監督 である。
赤ちゃんの目線から、子育てに右往左往している大人達を冷静に見つめている
作品だ。個性あふれる命の前で私たちは戸惑うことも多々あるだろう。
戸惑ってもいい、右往左往してもいい、命はいろいろだから素晴らしいのだ!!
フロム エス。