「歌がうまくなりたい」「もっと響きのある高音を出したい」という方は、声帯閉鎖を自在にできるようになると良いでしょう。
声帯をしっかり閉じることで、声のハリや安定感が増し、声の印象が大きく変わります。
この記事では、声帯閉鎖の仕組みやメリット、鍛え方などについて紹介します。
声帯閉鎖とは?
声帯閉鎖とは、名前の通り声帯が閉じた状態になっていることです。
声帯閉鎖のトレーニングをすることで、声を安定させたり、表現力を高めたりすることができます。
声帯は強く閉じすぎると思うように声が出なくなり、閉鎖が弱すぎると息が漏れてかすれたような声になってしまうため、バランスの取れた閉じ具合が大切です。
歌がうまくなるには、声帯を適切に開いたり閉じたりするコントロールが重要となり、声帯閉鎖のトレーニングを通じて習得できます。
声帯の仕組み
声帯とは、喉の奥にある左右一対の筋肉と粘膜で構成されたヒダのような組織です。
声帯は声を出さないときには開いた状態ですが、発声時には声帯にある筋肉の声帯閉鎖筋が、左右の声帯を閉じ合わせ、空気が通るときに振動することで音を生み出します。
声帯の閉じ具合が強ければ強いほど、クリアでハリのある声になり、逆に開いていると息漏れが多くなってしまいます。特に高音や強い音を出すためには、声帯をしっかりと閉じる力が重要です。
声帯閉鎖で得られるメリット
声帯閉鎖を適切に行えるようになると、歌声の質が大きく向上します。ただ高音を出せるだけでなく、より自由で豊かな表現が可能になるでしょう。
ここでは、声帯閉鎖で得られる具体的なメリットを紹介します。
ハリのある高音が出しやすくなる
高音域での声の裏返りやかすれに悩む方は多いですが、声帯閉鎖を習得することで、これらの問題を大きく改善できます。
声帯をしっかり閉じると息漏れを防ぎ、響きのあるクリアな高音を出せるようになるためです。
高音を無理なく美しく出したい方にとって、声帯閉鎖は欠かせないテクニックと言えるでしょう。
声質の幅が広がる
声帯閉鎖をコントロールできるようになると、声の出し方にバリエーションが生まれます。
例えば、やわらかい声で語りかけるような表現や吐息混じりで切なさを演出するウィスパーボイス、力強く張りのある声で歌い上げるスタイルなど、曲の雰囲気に応じて声色を自在に変えられるようになります。
声帯閉鎖ができるようになると表現力が豊かになり、多彩なジャンルの歌に対応できることは大きなメリットです。
声質がブレにくくなる
歌っているときに声が震えたり、音程が不安定になったりする原因の一つが、声帯の閉鎖が不十分なことです。
声帯閉鎖をしっかり習得することで、息の流れが安定し、声質のブレを防ぐことができます。
安定した声は聴き手に安心感を与え、よりプロフェッショナルな印象を持ってもらえるでしょう。
喉への負担が少ない
声帯をしっかり閉じていないと息を多く使ってしまい、結果的に喉に力が入りやすくなり、声帯の痛みや疲労の原因になるため注意が必要です。
しかし、正しく声帯を閉じて発声することで、無理に声を張り上げる必要がなくなり、喉への負担を軽減できます。
ミックスボイスの習得にもつながる
ミックスボイスは、地声と裏声の中間の声を出す発声方法で、声帯閉鎖のスキルが重要な役割を果たします。
ミックスボイスでは、声帯の開き具合を細かく調整しながら発声する必要があるため、閉鎖の感覚が身に付くと地声から裏声の移行もスムーズにできるようになるでしょう。
声帯閉鎖のやり方や声帯閉鎖筋の鍛え方
声帯閉鎖を効果的に習得するには、トレーニングが欠かせません。
ここでは、誰でも取り組みやすい基本的な声帯閉鎖の鍛え方として「エッジボイス」と「スケール」の2つの方法を紹介します。
エッジボイス
エッジボイスとは、声帯を閉じた状態で低く「あ゛あ゛あ゛」というようなガラガラ声を出す発声方法です。
このトレーニングは、声帯をしっかりと閉じる感覚を身に付けるのに非常に効果があります。
エッジボイスの発声方法は、喉がリラックスした状態で「あー」と声を出しながら音程を低くしていきます。変換点を超えるとガラガラとした声に変わります。息を一定の量で吐き続けることがポイントです。
スケール
スケールトレーニングとは、「ドレミファソラシド」の音階(スケール)に合わせて発声する練習です。
この方法では、音の高低に合わせて声帯閉鎖の強弱をコントロールする力を養うことができます。
特に、高音に向かっていく際に声帯を閉じすぎてしまったり、声帯が開いて裏声になってしまったりするため、しっかり閉じ続けることが重要です。
「あ」の言葉で「ドレミファミレド」「ドレミファソファミレド」など、音階をなぞるように歌ってみましょう。
声帯閉鎖筋を鍛える際に押さえておきたいポイント
声帯閉鎖筋のトレーニングは、正しい方法で行わなければ効果が得られず、喉を痛める原因にもなります。
以下のポイントを意識することで、安全かつ効率的に鍛えられるでしょう。
腹式呼吸でしっかり息を吸う
声帯閉鎖を安定させるには、呼吸のコントロールが重要なポイントです。
多くの酸素を取り入れられる腹式呼吸では、吐く息をコントロールすることで声帯が振動しやすくなります。
また、腹式呼吸はお腹の下部分にあたる「丹田」に力を入れますが、このときお腹の力を利用して声帯閉鎖もできるようになるため、喉への負担を軽減できることも特徴です。
息の量をコントロールする
声帯を閉じて発声するときに大切なのが「息の量の調整」です。
強く吐きすぎると声帯に余計な負荷がかかり、喉の疲労や声が裏返る原因になります。
逆に息が弱すぎると音が途切れたりかすれたりして、効果的なトレーニングができません。
エッジボイスやスケール練習中は、息の流れを一定に保ち、声と息のバランスを意識しましょう。
声帯を閉じて喉は開く
発声時には「声帯は閉じるけれど、喉はリラックスして開いている」状態を意識することが重要です。
喉に力が入っていると声帯の動きが制限され、正しい発声ができなくなります。
あくまでも声帯閉鎖は声帯そのものの筋肉運動であり、喉全体を締めつける必要はないことに注意しましょう。
痛みを感じたら中断する
声帯閉鎖のトレーニング中に喉に痛みや違和感を感じたら、すぐに練習を中断することが大切です。
無理に続けると声帯に炎症が起きたり、喉のトラブルにつながったりする可能性もあります。
また、声帯は痛みを感じにくいため長時間のトレーニングは避けましょう。短時間の練習を継続し、トレーニング後はしっかりと喉を休めることが大切です。
プロのレクチャーを受けるのも方法の一つ
声帯閉鎖の感覚は初心者にとって難しいと感じたり、正しい感覚が分かりづらかったりします。そのため、プロのレッスンを受けるのもおすすめです。
経験豊富な講師に指導してもらうことで、誤ったやり方や自己流の癖が付くのを防ぎ、効率的にスキルアップを目指せます。
また、自分に合った練習方法を提案してもらえるのも大きなメリットです。
声帯閉鎖のやり方が分からないと感じたらレッスンで基礎から身に付けよう
声帯閉鎖は感覚的な部分が多く、独学ではうまくつかめないという方も少なくありません。
声帯閉鎖は歌がうまくなるためには欠かせないトレーニングであり、基礎的なスキルです。
自分に適した方法で正しく身に付けるなら、テアトルアカデミーの「ON-LABO」でプロによるレッスンを受けると良いでしょう。
テアトルアカデミーは中学生から30歳までを対象とした「ON-LABO」と、31歳以上向けの「ON-LABO NEXT」があり、年齢やレベル、経験に合わせて無理なくスキルを伸ばせる環境が整っています。
呼吸や発声、リズム感などの基礎を学べるだけでなく、経験豊富な講師が一人ひとりの課題に合わせた指導をしてくれるため、自分の声の得意・不得意なことを客観的に理解できることが魅力です。
「カラオケがうまくなりたい」という方も「プロの歌手としてデビューしたい」という方も、「ON-LABO」なら効率的にスキルアップを狙えるでしょう。
声帯閉鎖のやり方を理解して実践してみよう
声帯閉鎖は、歌がうまくなるために欠かせないスキルです。
正しく習得すれば、高音の安定感や表現力の向上、喉への負担軽減など多くのメリットがあります。
声帯閉鎖を習得するには、エッジボイスやスケールといったトレーニングを通じて、少しずつ感覚をつかんでいくことが大切です。
ただし、1人だといまいち感覚がつかみにくい、正しい方法でトレーニングできているか分からないと感じる場合は、プロのサポートを受けるのも良いでしょう。
テアトルアカデミーの「ON-LABO」では、一人ひとりに合わせた丁寧な指導が受けられ、着実なスキルアップが期待できます。
オーディションはオンラインで受けられるため、気になる方は気軽にエントリーしてみてはいかがでしょうか。