ホイッスルボイスとは、人間が出せる声のなかでも最も音域の高い声を発声するテクニックの一つです。
マライア・キャリーやアリアナ・グランデなどのアーティストが使用することでも知られ、その神秘的で澄んだ音色に憧れを持つ方も多いでしょう。
ホイッスルボイスは、正しい方法でトレーニングを重ねれば、身に付けることができる可能性があります。
この記事では、ホイッスルボイスの基礎知識から種類、出し方や習得のコツなどについて解説します。
ホイッスルボイスとは
ホイッスルボイスとは、人間が出せる声のなかで最も高い音域で発せられる声で、「超ハイトーン」「超高音発声」とも呼ばれます。
まるで口笛のように鋭く、澄んだ音色が特徴です。一般的に、ホイッスルボイスの音域は5オクターブ以上と言われ、女性ならC6以上、男性ならG5以上とされています。
ホイッスルボイスはほとんど声帯を振動させずに発声することから、技術とコントロールが求められます。
歌唱時に活用するには、日々の練習と喉の管理が重要と言えるでしょう。
ホイッスルボイスは生まれつき?
ホイッスルボイスは必ずしも生まれつきで決まるわけではありません。
生まれつき声帯の柔軟性や構造がホイッスルボイスに影響することは事実ですが、適切な練習を継続することで、誰でも習得できる可能性があります。
重要なのは、声帯の閉じ方や息のコントロール、口の形など、正しいフォームを理解し、段階的に音域を広げていくことです。
ホイッスルボイスが特徴的なアーティスト
ホイッスルボイスが特徴的なアーティストは、以下の通りです。
【代表的なアーティスト】
- マライア・キャリー
- アリアナ・グランデ
- ホイットニー・ヒューストン
- MISIA
- 清水美依紗
- 平原綾香
- 小田さくら
- 大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)
- 赤西仁
- 京(DIR EN GREY)
ホイッスルボイスは女性だけでなく男性も出せる発声方法で、後天的に習得した歌手もいます。
ホイッスルボイスが出せるようになると、ジャンルや性別を問わず多彩な表現ができるようになるでしょう。
ホイッスルボイスの種類
ホイッスルボイスは、音の質感や出し方の違いによって大きく2つのタイプに分けられます。
ここでは、代表的な2種類のホイッスルボイス「構音型」と「気流型」について、それぞれの特徴や該当するアーティストを交えて紹介します。
構音型ホイッスルボイス
構音型ホイッスルボイスは、澄んだ音質でクリアに響くのが特徴です。
マライア・キャリーやアリアナ・グランデがこのタイプを代表するアーティストで、オペラ歌手も扱うテクニックとされています。
構音型は声帯を細く狭め、口笛のように息の量や共鳴をコントロールすることで雑音の少ないクリーンな音を生み出します。
発声には高度な技術が必要ですが、安定した高音を出すことができるほか、表現力を大きく広げられるのが魅力です。
気流型ホイッスルボイス
気流型ホイッスルボイスは、スクリームと呼ばれる高音のデスボイスに近い声質が特徴です。
声帯をほぼ閉じた状態のわずかな隙間から音を出すため、鋭くパワフルな印象を与え、感情を爆発させるような表現に適しています。
京(DIR EN GREY)がこの声を代表するアーティストで、メタルや激しい曲調の楽曲に向いていると言えるでしょう。
ホイッスルボイスの出し方を5ステップで解説
ホイッスルボイスは独特な発声方法であるため、段階を踏んで習得することが大切です。
ここでは、初心者でも取り組みやすいように5つのステップに分けてホイッスルボイスの出し方を解説します。
①声帯を閉じる感覚をつかむ
ホイッスルボイスの第一歩は、声帯をしっかり閉じる感覚をつかむことです。
口からため息を吐いている途中で喉でせき止めると、声帯を閉じる感覚が分かりやすいでしょう。慣れてきたら息を吐かずに声帯を閉められるようになります。
②声帯をリラックスした状態でゆっくり閉じる
次に意識するのは、声帯を緊張させずに閉じることです。強く閉じすぎると喉に負担がかかり、きれいな高音が出せません。
深呼吸などで声帯がリラックスした状態を作り、ため息を吐きながら徐々に息の量を減らすように声帯を閉じてみましょう。
③息を吸いながら(吸気発声)声を出す
ホイッスルボイスでは、吸気発声という特殊な発声法を用います。これは息を「吸う」動作のなかで声を出す技術です。
まずは声帯を閉じた状態で息を吸いながら声を出すことを目指します。しゃっくりと同時に声が出てしまう場面や、引き笑いをするようなイメージで行うと効果的です。
④息を吸いながら(吸気発声)徐々に高い声を出す
吸気発声ができたら、音程を徐々に高くしていきます。
最初は低めの音で練習し、喉に負担がかからない範囲で少しずつ高音へ移行します。
しっかりと声帯を閉じているか意識することがポイントです。
⑤吸気発声の状態で高音を出す
最後のステップは、吸気発声を維持したまま高音を安定して出すことです。
このとき、喉や顎、身体に力が入ってしまうと音が詰まってしまうため、全身をリラックスさせましょう。
最初は音が不安定でも構いません。繰り返し練習することで、閉塞感がなく鋭く澄んだ音が出るようになります。
ホイッスルボイスらしいクリーンな高音が出せるようになれば、コツをつかんでいる証拠です。
ホイッスルボイスをうまく出すコツ
ホイッスルボイスは高度なテクニックが必要な発声方法のため、無理な練習や間違った方法では喉を痛める原因になります。
正しいコツを押さえることで、安全かつ効率的に上達を目指せるでしょう。
長時間練習しない
ホイッスルボイスの練習は短時間に集中して行うことが大切です。長時間の練習は喉への負担が大きく、声帯を痛めるリスクがあります。
1回の練習は5〜10分程度を目安にし、少しずつ感覚をつかんでいくことが、安定した発声と上達への近道です。
喉の不調を感じたら中断する
喉に違和感や痛みを感じた場合は、すぐに練習を中断しましょう。無理に続けると声帯に傷が付き、回復に時間がかかることもあります。
練習で喉が痛くなる場合は基礎ができていない可能性もあるため、基礎的な発声練習を繰り返し行うことが大切です。
歌の基礎を身に付ける
ホイッスルボイスを習得するためには、発声方法や呼吸のコントロールなど基礎的なスキルが欠かせません。
間違った方法は上達が遅れたり喉を痛めたりしてしまうため、正しい方法で基礎を習得するなら、プロのレッスンを受けるのも効果的です。
ホイッスルボイスを習得するなら音域を広げるための基礎を身に付けよう
ホイッスルボイスを習得するためには、まず土台となる音域を広げるための基礎トレーニングが欠かせません。
発声のトレーニングは独学でもできますが、無理に発声したり誤った方法で練習したりすると喉を痛めてしまうリスクがあるため、効率的なスキルアップを目指すならプロに学ぶ方法がおすすめです。
テアトルアカデミーの「ON-LABO」では、音楽業界で活躍するプロによるレッスンを受けられます。
発声の仕組みや呼吸のコントロールなどの基礎をしっかりと学べるため、未経験でも無理なく高音域の発声ができるようになるでしょう。
中学生から30歳までを対象とした「ON-LABO」と、31歳以上の方向けの「ON-LABO NEXT」があり、年齢や個人のレベルに合わせたカリキュラムで無理なくステップアップが可能です。
自分の強みを理解し、苦手分野を克服しながらプロレベルの歌唱力を目指せます。
レッスンはすべてオンラインで受講できるため、自宅にいながら本格的なレッスンを受講できるのも大きな魅力です。
ホイッスルボイスを習得して憧れの歌声を手に入れよう
ホイッスルボイスは、生まれつき声帯の柔軟性や構造により出せる場合もありますが、適切に練習すれば男女問わず誰でも習得できる可能性があります。
ホイッスルボイスの習得には、声帯の使い方や呼吸のコントロールを正しく身に付けることが重要です。
テアトルアカデミーの「ON-LABO」では、初心者向けの基礎トレーニングが充実しており、プロの指導を受けながら発声・歌のスキルアップが目指せます。
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