巻き舌(タングトリル)は、日本語では日常的に使うことは少ないものの、歌や演技の表現力の向上に役立つため、多くのボイストレーニングで取り入れられています。
この記事では、巻き舌の仕組みやできない原因、効果的な練習方法、習得のポイントを紹介します。
巻き舌とは?
巻き舌はタングトリルとも呼ばれ、舌を振動させて音を出す発声テクニックです。
日本語の日常会話ではあまり使われませんが、イタリア語やフランス語、ロシア語、ドイツ語など、多くの外国語では重要な役割を果たします。
巻き舌は、息を吐く際に舌が外側へ押し出され、舌の筋力で元の位置に戻る現象です。
巻き舌ができるようになると歌声や表現力に幅を持たせられるため、歌手や声優などを目指す方は習得しておくと良いでしょう。
巻き舌ができるようになるメリット
巻き舌を習得すると、発声や発音の面でさまざまなメリットがあります。
ここからは、巻き舌ができるようになるメリットについて詳しく解説します。
舌がリラックスできる
巻き舌をすることで、舌や口まわりの緊張をほぐすことができます。
舌や口まわりの筋肉が緊張していると、声が出しにくくなり、発声が不安定になるため、歌や発声練習前のウォーミングアップとして行うと良いでしょう。
滑舌が良くなる
滑舌が悪い方は、舌や口まわり、顎の筋力が不足している傾向にあります。
滑舌が悪いと、セリフや歌詞をうまく発声できず、聞き取りにくくなったり、聞き手が感情移入ができなくなったりすることがあります。
舌の筋力のトレーニングになる巻き舌を練習して、滑舌の改善につなげましょう。
感情を表現しやすくなる
巻き舌を使いこなせるようになると、歌や演技における表現の幅が広がります。
例えば、ロックやメタルの曲では、巻き舌を使うことで力強い響きや独特のニュアンスを加えることができるため、よりダイナミックな表現になるでしょう。
また、巻き舌は裏声やミックスボイスの発声にも良い影響を与えます。
ミックスボイスは裏声と地声の中間の音域を出すテクニックです。巻き舌をすることで、声帯の動きをコントロールできるようになり、裏声と地声の切り替えがスムーズになります。
また、声の出し方のバリエーションが増えることで、表現力の向上につながるなどのメリットもあります。
歌える曲の幅が広がる
巻き舌ができるようになると、外国語の歌に挑戦しやすくなることもメリットです。
特に、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、ロシア語などの楽曲では、巻き舌の発音が重要な役割を果たします。
例えば、オペラやシャンソン、ラテン音楽などでは、巻き舌を使わないと正確な発音にならないこともあるため、歌える曲の幅を広げたい方は、巻き舌を習得しておくと有利です。
巻き舌ができないのは舌が原因?
巻き舌はさまざまなメリットがあるものの、実際にやってみるとなかなかできないという方もいるかもしれません。
ここでは、巻き舌ができない原因を具体的に解説します。
舌の筋力不足
巻き舌を習得するには、舌の筋力が必要です。特に、日本語は巻き舌を使う発音がないため、日本人は舌を振動させる筋力が発達しにくい傾向にあります。
筋力が不足していると、正しい位置よりも舌が落ちることで口呼吸になりやすくなったり、口呼吸をすることで喉が乾燥して負担がかかりやすくなったりするため、注意が必要です。
舌の筋力トレーニング方法については、次章で紹介します。
舌の位置を間違えている
巻き舌をするときには、舌の位置や口の形も重要です。
巻き舌がうまくできない場合は、以下に該当していないかチェックしてみましょう。
- 口を閉じている
- 口を大きく開けている
- 舌全体が前歯に付いている
- 舌先が前歯に付いていない
巻き舌で発声するときには「口を少し開けて」「舌先が前歯の裏の根本に触れている」ことを意識しましょう。鏡を見ながら練習すると効果的です。
身体と喉が緊張している
巻き舌は息を吐きながら舌を振動させるテクニックです。身体や喉が緊張していると力みすぎてしまい、かえってうまくできません。
巻き舌はリラックスした状態で行うことが大切となるため、ストレッチやウォーミングアップを行い、身体や口まわりの筋肉、表情筋などをほぐすことを意識しましょう。
腹式呼吸ができていない
腹式呼吸は発声トレーニングの基礎となる呼吸法です。
深い呼吸ができていないと腹筋に力が入らず、巻き舌がうまくできません。
巻き舌の練習をするときには、以下のポイントを押さえてしっかり腹式呼吸ができているか確認しましょう。
- 姿勢を正して肩の力を抜き、リラックスした状態になる
- ゆっくりと息を吸いながらお腹を膨らませる
- 息を吐き出しながらお腹をへこませる
息を吐き出すときは、なるべく時間をかけながら全部の空気を吐き出すようなイメージで行います。
腹式呼吸ができると呼吸のコントロールもしやすく、ロングトーンも安定します。
巻き舌のやり方を紹介
巻き舌は、舌の筋力や位置、息の使い方を意識しながら練習することが大切です。
最初はうまくできなくても、繰り返し練習することで舌の動きをコントロールできるようになるでしょう。
ここでは、巻き舌のやり方を紹介します。
舌の筋力トレーニングをする
巻き舌ができない人の多くは、舌の筋力不足が原因です。そのため、まずは舌の動きをスムーズにするためのトレーニングを行いましょう。
舌の筋力トレーニングは、以下のステップで行います。
- 口を大きく開けて舌を前に突き出し、数秒止めて元の位置に戻す
- 左・右・上・下の方向も同様に繰り返す
- 舌を上顎に付け、舌全体でゆっくりと押し上げるように力を入れる
- 数秒経ったら舌の力を抜き、何度か繰り返す
「ら行」の発音で舌の位置を確認する
巻き舌で発声しやすいのは「ら行」の発音です。
ら行の言葉を繰り返し発声することで、巻き舌のときの舌の位置を確認できます。「ラーメン」「りんご」「ルーレット」など、発音する瞬間の舌の位置を意識しましょう。
上顎に触れている舌先が、吐く息とともに振動する感覚がつかめたら、巻き舌までもう一歩です。
舌が振動する感覚をつかむ
舌が振動する感覚をつかめると、巻き舌がやりやすくなります。
「サッポロラーメン」「とろろそば」のように「ら行」の入った言葉を繰り返したり、「ララララ」「ルルルルル」など同じ発音を繰り返す方法が効果的です。
「ら行」を発声するときは息を多めに吐き出し、舌が振動する感覚を意識しましょう。
ただし、身体と喉はリラックスした状態で行うことが大切です。
ラタトゥラ発声法で動きをコントロールする
ラタトゥラ発声法は「ラ」「タ」「トゥラ」を繰り返す発声練習を、3段階に分けて行います。
- 「ラ」をゆっくりと連続して発声しながら、徐々にスピードを上げていく
- 「タ」「トゥラ」も同様に行う
繰り返し練習することで、息を吐くタイミングや舌の位置が理解でき、舌の動きをうまくコントロールできるようになるでしょう。
巻き舌を練習する際のポイント
巻き舌を練習する際は、力みすぎずリラックスした状態で行いましょう。
ここからは、巻き舌を練習する際のポイントを紹介します。
一つひとつを丁寧に行う
巻き舌は、舌が振動する感覚をつかむことが上達のカギです。
舌の位置や筋力、息を吐く量などさまざまな要素が関わっているため、一つひとつの動作を丁寧に行いましょう。
練習するときの姿勢や呼吸方法など、普段は意識しない部分にも注意が必要です。
継続することが大切
巻き舌は一朝一夕でできるものではありません。
短期間でできることもあれば、なかには数ヶ月〜半年ほどかかる場合もあります。習得できるスピードは個人差があるため、焦らずにコツコツと継続することが大切です。
プロに頼るのもおすすめ
巻き舌の練習を頑張っていてもなかなかコツがつかめない、正しく練習できているか不安を感じているという場合は、プロのレッスンを受けるのもおすすめです。
ボイストレーニングや歌のレッスンでは、プロが一人ひとりのレベルに合わせて効果的な指導をしてくれます。
苦手な部分や自分の癖を改善するためのアドバイスがもらえるため、自己流で練習するよりも確実に上達が期待できるでしょう。
巻き舌以外のテクニックも学びたいならプロのレッスンがおすすめ
テアトルアカデミーの「ON-LABO」では、プロによる質の高いレッスンを受けられます。
巻き舌をはじめとしたさまざまな歌唱テクニックを習得できるため、歌唱力や表現力を高めたい方におすすめです。
未経験からプロのアーティストとしてデビューを目指すプロジェクトでもあり、基礎から実践的なレッスンまで幅広いカリキュラムが用意されています。
シンガーソングライターや音楽プロデューサーとして活躍している講師陣のレッスンが受けられるため、現場で活かせるスキルと知識を身に付けられるでしょう。
レッスンはすべてオンラインで受講でき、自宅にいながら学べることも特徴です。
テアトルアカデミーでは、中学生~30歳を対象とした「ON-LABO」、31歳以上を対象とした「ON-LABO NEXT」があり、年齢に関係なく挑戦できる環境があります。
「ゆくゆくは歌手になりたい」「自分の歌声に自信を持ちたい」という方は、挑戦してみると良いでしょう。
巻き舌を身に付けて歌唱力を高めよう!
舌を振動させながら発声する巻き舌は、歌唱力の向上や表現力アップ、滑舌の改善などさまざまなメリットがあります。
巻き舌ができない方は、まずは原因を理解し、正しい方法で練習することが大切です。
なかなか巻き舌ができるようにならない、歌のテクニックを基礎から学びたいという方は、テアトルアカデミーの「ON-LABO」でプロによるレッスンを受けるのも良いでしょう。
ON-LABOでは発声や滑舌などの基礎的なトレーニングをはじめ、プロのアーティストに必要なスキルを幅広く習得できます。
オーディション・レッスンはオンラインで受けられるため、まずは気軽にエントリーしてみてはいかがでしょうか。