ハモリは楽曲に深みが生み、より美しい響きを作り出すことができます。
しかし、「ハモリってそもそも何?」「ハモリをマスターしたいけどやり方が分からない」と思う方も多いでしょう。
この記事では、ハモリの基本的な仕組みやユニゾン・コーラスとの違い、ハモリの種類について詳しく解説します。
さらに、ハモリを習得するメリットや練習方法も紹介するので、「ハモリがうまくなりたい」という方は参考にしてください。
ハモリとは?
ハモリとは、主旋律(メインメロディ)に対して異なる音程を重ねることで、楽曲に奥行きや豊かな響きを加える歌唱スキルの一つです。
英語では「ハーモニー(harmony)」と呼ばれ、複数の音が調和して美しい響きを生み出します。
例えば1人が主旋律を歌い、もう1人が異なる音程で歌うことで、単音ではなく厚みのあるサウンドが作れます。
ハモリは音楽のジャンルを問わず、さまざまな場面で用いられています。
ハモリを正しく理解するために、まずは「ユニゾン」や「コーラス」との違いを確認しておきましょう。
ユニゾンとの違い
ユニゾン(unison)とは、複数の人が同じ音程・メロディを歌うことを指します。
ハモリは音の厚みや広がりを強調するのに対し、ユニゾンは音の一体感や迫力を生む効果があるのが特徴です。
コーラスとの違い
コーラスは、主旋律とは異なるパートを複数人で歌い、楽曲全体の雰囲気を高める方法です。
「ハモリ」と「コーラス」は混同されがちですが、ハモリはメロディに彩りを加えることに対し、コーラスは合唱のようにメロディを補完するためのバックグラウンドボーカルとしての役割を持ちます。
ハモリの種類
ハモリにはいくつかの種類があり、音程の関係や役割によって分類されます。
3度ハモリ・5度ハモリ
音程によるハモリの分類に、「3度ハモリ」「5度ハモリ」があります。
主旋律の音から3度上または3度下の音を歌うことを「3度ハモリ」、主旋律の音から5度上または5度下の音を歌うことを「5度ハモリ」と言います。
例えば、主旋律が「ド」の場合、3度上の音は「ミ」、5度上の音は「ソ」です。
3度ハモリは最もポピュラーで耳なじみが良く、自然な響きが生まれます。一方で、5度ハモリは厚みが増し、より力強い印象を与えられることが特徴です。
上ハモリ・下ハモリ
音の位置によるハモリの分類に「主旋律に対して上の音を取るか、下の音を取るか」という視点があります。
上ハモリは主旋律より3度または5度高い音程でハモること、下ハモリは3度または5度低い音程でハモることです。
例えば、主旋律が「ドレミ」と上昇する場合、上ハモリでは「ミファソ」と歌い、下ハモリでは「ラシド」と歌うイメージです。
一般的に、上ハモリは明るく華やかな印象を与え、下ハモリは落ち着いた安定感のある響きを生み出します。
どちらのハモリを選ぶかは、曲の雰囲気やボーカルの声質によって変えると良いでしょう。
ハモリを覚えるメリット
ハモリを習得することは、単に歌が上手になるだけでなく、音楽的な感性やスキルを大きく向上させる効果があります。
ここでは、ハモリを身に付けることで得られる具体的なメリットを紹介します。
歌唱の幅が広がる
ハモリを習得することで、歌唱表現の幅が大きく広がります。ハモリを使いこなせると楽曲に深みや奥行きを加えることができるでしょう。
複数人で歌う場面では、ハモリができると一体感も生まれます。バンド演奏や合唱、カラオケなどで友人や仲間とハモれば、楽曲全体がいきいきとした仕上がりになり、音楽を通じた楽しさが倍増するでしょう。
さらに、アレンジしたハモリを加えることで、楽曲のオリジナリティを高めることも可能です。
聴覚が良くなる
ハモリを習得する過程で、相手の音程や微妙な音やリズムの変化を意識的に聴き取る力が鍛えられます。
これは「音感トレーニング」としての効果もあり、他人の音程を正確に捉え、主旋律とハモリパートを自然に調和させるスキルが上がるでしょう。
また、和音や細かなニュアンスの違いやリズムにも敏感になり、音楽全般の理解が深まることで歌唱力全体が底上げされることもメリットです。
自信がつく
ハモリは音程感やリズム感、聴覚能力など、さまざまなスキルを必要とします。これらの能力が向上するとパフォーマンスも良くなり、より多くの楽曲を自信を持って歌えるようになるでしょう。
また、音楽的なスキルが向上すること「もっと挑戦してみたい」「難しい曲にも取り組んでみよう」という意欲がわいてきます。
ハモリを習得することは単なる歌唱技術の向上にとどまらず、「自分を成長させるプロセス」として大きな効果を得られるでしょう。
ハモリのやり方・練習方法
ハモリを上手に歌うには、正しい音程を保ちつつ主旋律と調和することが大切です。
しかし、実際にやってみるとなかなかうまくできないことが多く、悩んでしまうケースも少なくありません。
ここからは、初心者でも実践しやすいハモリの練習方法を紹介します。
①ハモリたい曲を聴き込み、覚える
まずは、ハモリを練習したい曲を何度も聴き、楽曲全体の構成を把握しましょう。特に、主旋律とハモリの関係を意識して聴くことが重要です。
初心者はシンプルな3度ハモリのある曲を選ぶと良いでしょう。
例えば、J-POPやアニメソングには分かりやすいハモリが含まれていることが多く、おすすめです。イヤホンやヘッドホンを使うことで、ハモリパートがよりクリアに聴こえます。
②ハモリパートの音程を覚える
曲を聴き込んだら、次にハモリパートの音程をしっかり覚えましょう。
音程を正確に把握し、安定したハモリを歌うためのポイントは以下の通りです。
- 主旋律なしで、ハモリパートだけ歌ってみる
- ピアノアプリや楽器で音を確認する
- 録音して自分の声をチェックする
ハモリの音程が不安な場合は、ピアノアプリやチューナーを使って正しい音を確認しながら練習すると良いでしょう。
③メインパートの音量に気を付けながらハモリパートを歌う
ハモリパートを歌うときは、メインパートにつられないように注意が必要です。
メインパートを聴きながらも自分の音程を意識すること、ハモリパートの音量をメインボーカルより控えめにすることを意識すると良いでしょう。
ハモリが大きすぎると曲のバランスが崩れてしまいます。
また、ハモリパートを歌うときは、主旋律よりもやわらかい声で歌うのがおすすめです。
カラオケの練習機能もおすすめ
ハモリを上達させるために、カラオケの練習機能を活用するのも効果的です。
カラオケの機種によっては「ボーカルアシスト」「ハモリトレーニング」の機能が利用できるほか、採点機能を使えば音程やリズムを確認しながら歌うこともできます。
ハモリの練習におすすめの楽曲
ハモリの練習に適した楽曲を選ぶことで、効果的にスキルを向上させられます。
ハモリの練習におすすめの曲は、以下の通りです。
<邦楽>
- HY「AM11:00」
- ゆず「栄光の架橋」
- MONGOL800「小さな恋のうた」
- 絢香×コブクロ「WINDING ROAD」
- ORANGE RANGE「花」
<洋楽>
- 「A Whole New World」(映画『アラジン』)
- セリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」(映画『タイタニック』)
- エアロスミス「I Don’t Want to Miss a Thing」
- ブルーノ・マーズ「Just The Way You Are」
いずれも広く知られている曲で、ハモリ動画も多く公開されているため練習の参考にしてください。
ハモリをマスターしたいならレッスンに通うのもおすすめ!
ハモリを習得するには音程感やリズム感が重要ですが、主旋律と調和する美しいハモリにするために高度な歌唱力・テクニックも必要です。
テアトルアカデミーの「ON-LABO」は、音楽業界で活躍するプロによるレッスンが受けられます。
発声や発音の基礎からしっかりと学べ、未経験でも歌手として通用するレベルのヴォーカルスキルを習得できるでしょう。
一人ひとりのレベルに合わせたレッスンでは、自分の強みを知ったうえでトレーニングができることも魅力です。
また、楽曲制作や音楽理論で音楽への理解を深めると同時に、ライブパフォーマンスやライブ活動など実践的なカリキュラムも充実しています。
「ON-LABO」はオリジナル楽曲でプロデビューできる音楽特化プロジェクトです。
中学生〜30歳が対象となり、31歳以上は「ON-LABO NEXT」でプロと一緒に楽曲制作に取り組めます。
ハモリで歌唱の楽しみ方の幅を広げよう!
ハモリは、主旋律に異なる音程を重ねることで、楽曲に奥行きや豊かな響きを加える歌唱スキルです。
ハモリを習得できると、歌唱の幅が広がる、聴覚が良くなる、自信が付くなどのメリットがあります。
ハモリを習得するにはトレーニングが必要となり、高い歌唱力も求められます。
歌の基礎からしっかりと学び、効果的に上達するならテアトルアカデミーの「ON-LABO」がおすすめです。
オンラインでプロによる実践的・専門的なレッスンが受けられるため、自宅での自主練習と合わせれば効率的にスキルを高められるでしょう。