声優はキャラクターや俳優の演技に合わせて声を当てる仕事のため、表現力や演技力が求められます。また、さまざまな役柄を演じるには、声質の幅を広げることも重要です。
この記事では、声優として良い声質や種類、声質の幅を広げる方法について解説します。
声優としての良い声質とは?
声質とは、声の特性のことです。具体的には、声の高さや低さ、響き方、音の明瞭さ、やわらかさ、抑揚などの要素が組み合わさって形成される、声の「個性」のことを指します。
声質は喉や声帯、口腔や鼻腔などの構造、またこれらの使い方によって異なり、遺伝的な要因と習慣的な発声方法に影響を受けるものです。
現在活躍する声優で「良い声」と言われている方もいますが、具体的に特定の要素や基準があって評価されているわけではなく、個人の主観によって判断されます。
そのため、自分が「良い声」と言われたことがない、自分の声質に自信がないからといって声優になれないわけではありません。
声質より大切なポイント
声優を目指す方にとって声質よりも大切なのは、作品のキャラクターやシチュエーションに「声がマッチしているか」ということです。
たとえ良い声だと言われていても、キャラクターのイメージとズレが生じると作品の完成度を落としてしまうかもしれません。
声質には種類があり、日々のトレーニング次第で幅広い声質が出せるようになります。キャラクターの年齢や性格、シーンによって適した声質が異なるため、幅広く柔軟に対応することが求められるでしょう。
声優として求められる声質の種類
実際に、声優として活躍するにはどのような種類の声質が求められるのでしょうか。
続いては、声優として求められる声質の種類と特徴を紹介します。
ミドルボイス
ミドルボイスは、地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)のバランスが取れた中程度の音域となる声質です。裏声でありながら限りなく地声のように聞こえ、自然な響きで明瞭さを感じられます。
明るくて快活な主人公や一般的な男性・女性など幅広いキャラクターに適しています。
ウィスパーボイス
ウィスパーボイスは、ささやくような声、息漏れした地声のことです。
静かに語りかけるように話すことが特徴で、感動的で繊細なニュアンスを伝えたり、緊張感や神秘性を演出したりする際にも使われています。
朗読やナレーションでも活用できるため、声優を目指すなら習得しておきたい声質です。
チェストボイス
チェストボイスは地声のことを指し、胸やお腹の共鳴を活かして発声する力強い声質です。
チェストボイスを出せないと「ほかの声質は習得できない」と言われるほど基礎的な声となるため、早い段階で練習を始めると良いでしょう。
低音域の声でパワーと迫力を感じられるため、重厚感や存在感を出したいときや、格闘・アクションシーンで用いられます。
ファルセット
ファルセットは息を漏れさせて発声する、やわらかい裏声です。通常の声よりも高い音域で透明感や愛らしさを表現できます。
ヘッドボイス
ヘッドボイスは「頭声」とも呼ばれ、声帯を閉じながら頭部で響かせるように力強く発声する声質です。通常の声よりも高音域でよく通る声のため、繊細さや透明感のある印象を与えられます。
美しいメロディや歌声など、音楽的な表現が求められるシーンで使用されます。
エッジボイス
エッジボイスは「ボーカルフライ」とも呼ばれ、超低音域でザラつかせる声質です。
シャープさと力強い印象を与えるため、クールで個性的なキャラクターを演出する際に用いられます。
ミックスボイス
ミックスボイスは、地声と裏声が混ざったような声質です。
ミドルボイスと同一に扱われることがありますが、ミドルボイスは地声寄りでミックスボイスは裏声寄りと、微妙な表現の違いがあります。
ミドルボイスよりもやわらかい印象のため、幅広い音域が求められるキャラクターや、歌唱パートが含まれる作品で使われます。
声優としての声質の幅を広げる方法
声優として活躍するには、声質の幅を広げてさまざまなキャラクターやシーンに対応できるスキルが必要です。
次に、声質の幅を広げる具体的な方法について紹介します。
自分の声質を知る
声質の幅を広げるには、まずは自分の声質を知る必要があります。
自分で聞こえている声と実際に発している声は異なるため、ボイスレコーダーやボイスメモアプリで声を録音して聞いてみましょう。
アプリのなかには、声の音程や明瞭さ、リズムなどを分かりやすく表示してくれるものもあります。
腹式呼吸を身に付ける
腹式呼吸は発声トレーニングの基礎の一つです。腹式呼吸は呼吸と声のコントロールがしやすくなり、安定した声と力強さ、聞き取りやすさを向上させる効果があります。
腹式呼吸は横隔膜を大きく動かす呼吸法で、鼻から息を吸うときはお腹がふくらみ、口から吐くときにはお腹がへこむように意識すると良いでしょう。
喉の開け閉めを意識する
喉を開く・閉じる感覚は、声質の幅を広げるために重要なポイントです。喉を開くと響きのある繊細な声になり、喉を閉めると明瞭な響きでパワフルな声や高音を出せるようになります。
喉を開くトレーニングには、割り箸を奥歯で噛みながら声を出す方法や首を左右に軽く振りながら声を出す方法などがあります。
喉頭の位置を調節する
声質や歌うときの音色には、首のほぼ中央にある喉頭の位置が大きく影響しています。
喉頭が上がると声帯が閉じて地声を出しやすくなり、喉頭が下がると声帯が開き、低音・高音が出しやすくなります。
喉頭の位置を整えることで声の響きや抑揚も改善できるでしょう。
喉頭を正しい位置に戻すには、リラックスした状態でまっすぐに立ち、背筋を伸ばして頭を引き上げるような姿勢を取るのがおすすめです。
舌をリラックスさせる
舌が緊張状態にあると、声の明瞭さが損なわれこもったように聞こえます。舌の動きは声帯の動きにも影響を与えるため、リラックスさせることを意識しましょう。
口を開けて舌を大きく出して横に広げ、自然な状態に戻すと余計な力が抜けて緊張が解けます。また、舌を上下左右に動かすと舌の裏側の筋肉も緩められるため効果的です。
声優として声質を広げるならテアトルアカデミー
声優として活躍するには、さまざまな声質を習得することが大切です。発声トレーニングを通して声質の幅を広げるなら、プロによるレッスンを受けると良いでしょう。
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このほか、テアトルアカデミーの「声優コース」について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
自分の声質をベースに表現の幅を広げよう!
「良い声」と言われる声優は多くいますが、主観的な判断であり明確な基準はありません。
そのため、キャラクターやシチュエーションに応じて多様な声で表現したり、柔軟に声質を使い分けたりすることに注力するのがおすすめです。
声質の幅を広げるために1人でできるトレーニングもありますが、より効果的に習得するならプロに教わるのが良いでしょう。
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