声優として活動したりオーディションを受けたりする際に、必ず必要となるのがボイスサンプルです。
これからボイスサンプルを作ろうとしているものの、作り方やどのような原稿を用意すれば良いか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、声優のボイスサンプルを作る方法や流れ、ボイスサンプルを作るうえで押さえておきたいポイントについて解説します。
ボイスサンプルとは
ボイスサンプルは、声優の声の特徴や演技の幅を知ってもらうために収録したサンプルデータです。
原稿読みやキャラクターを想定したセリフ読み、フリートークなど何パターンかのサンプルを収録します。
ボイスサンプルの重要性
ボイスサンプルは、声優にとって重要な宣伝材料の一つです。作品のオーディションや仕事を紹介してもらう際に、自分の演技レベルやスキルをアピールできるツールとして役立つため、声優にとって名刺と同じくらい重要なものです。
声優として活動していくなら、声の特徴や強み、演技力、演技の幅、自分の人柄、オリジナリティを簡潔に伝えるために魅力的なボイスサンプルを用意する必要があります。
オーディションによっては、多くのボイスサンプルを集めて一次審査を行うケースもあります。競争率の高い声優業界で周囲と差をつけるためにも、ボイスサンプルのクオリティにこだわって作成すると良いでしょう。
ボイスサンプルの構成
ボイスサンプルを作成するにあたって、一般的な構成についてチェックしておきましょう。
- 自己紹介
- ナレーション
- セリフ
基本的な項目は上記の3つとなり、これらはほとんどのオーディションで提出します。オーディションによっては、歌やフリートークを求められることがありますが、特に指定がない場合でもこの3つは用意しておくと良いでしょう。
ナレーションやセリフは複数パターン用意し、3項目を合わせて6〜7種類のサンプルが一般的です。
ボイスサンプルを作る流れ
ボイスサンプルを作る流れは、大きく分けて3つです。
事前に自分の声に合いそうなキャラクターや演技など、声の特性を理解しておくと作りやすくなるでしょう。
①原稿を作る
まずは原稿を作ります。原稿は「自己紹介パート」と「ナレーション・セリフパート」に分ける必要があります。
自己紹介パートは、声優プロダクションや声優養成所、専門学校に所属している場合は「所属+名前」、受けたい役柄が決まっている場合は「役名+名前」、特になければ「名前のみ」を言い、5秒以内にまとめると良いでしょう。
次に、ナレーション・セリフパートです。ナレーターやアニメ・ゲーム声優など、自分が目指すジャンルに合わせて構成のバランスを決めます。
台本や原稿はWebで検索するとたくさんのサンプルがありますが、そのまま読むのは避けたほうが良いでしょう。ほかの人と内容が被ったり、文章が日本語的におかしな点があったりするためです。
自分の個性を出すためにも、原稿はアレンジするか、オリジナルを作成することをおすすめします。
また、演技の幅を見せるためにはキャラクターの属性や年齢など、幅広い役柄ができることをアピールできるような原稿を作成すると良いでしょう。
②練習する
原稿ができたら、さっそく練習に入ります。練習として原稿を読むときは、必ず録音して聞き直しましょう。自分が認識している声と第三者が聞く声とは、印象が大きく異なります。
録音した声を聞くことで客観的に改善点や修正点を把握できます。また、繰り返し自分の声を聞くことで第三者にはどのように聞こえているかイメージしやすくなるでしょう。
練習中も録音しているときと同じように自分の個性や強みを表現し、どのようにすればより伝わるのか、試行錯誤しながら納得いくまで繰り返すことが大切です。
③録音する
ボイスサンプルを録音するときは、極力静かな場所を選びましょう。
自宅で録音する場合は、家族の声やインターホンの音、道路を走る自動車・救急車の音などが入ってしまう可能性があります。
オーディションのボイスサンプルはクオリティの高さを求められることから、できればスタジオを借りてプロと同じ環境を整えると良いでしょう。
ボイスサンプルを作るときのポイント
続いては、ボイスサンプルを作るにあたって、意識しておきたいポイントについて解説します。
原稿は2~3分でまとめる
ボイスサンプルの時間が指定されていない場合、自己紹介を含めて2〜3分以内にまとめると良いでしょう。
オーディションの審査員・採用担当者は、多くのボイスサンプルを聞かなければならないため、長すぎると最後まで聞いてもらえない可能性があります。
短い時間に声の特徴やスキルが伝わるよう、表現を工夫しましょう。どうしても長くなってしまうときは原稿を見直すことも必要です。
適切なキャラクターを設定する
セリフパートは、声の個性や特徴を活かすためにキャラクターの年齢や性格、シチュエーションなどを適切に設定しましょう。
人気アニメなどを参考にしながら、どんなキャラクターにニーズがあるのかを踏まえて考えるのがおすすめです。
キャラクターを設定するときには、年齢や仕事、容姿、性格のほか、セリフのシチュエーションなど詳細に決めるとキャラクターのイメージが固まり、感情を込めやすくなります。
ハキハキと明るく自己紹介する
自己紹介は自分の第一印象を左右する重要なパートです。そのため、自己紹介のボイスサンプルを録音する際は、自分の素の声でハキハキと明るく話しましょう。
正しいアクセントを使用する
ボイスサンプルでは、正しいアクセントを使用することが重要です。
地方の方言はキャラクターを演じるうえで武器になる要素ではありますが、まずは基本のアクセントや言葉遣いを押さえ、標準語での演技をマスターしましょう。
滑舌トレーニングをする
いくら演技がうまくて魅力的な声でも、発音が聞き取りにくい場合、表現したいことが十分に伝わりません。誰が聞いても何を話しているのか伝わるように、練習や録音をする前にはしっかりと滑舌トレーニングをしておきましょう。
発声が苦手な単語や言葉のつながりがあればトレーニングを重ね、克服を目指すことも大切です。
ブレスやセリフの合間で表現を切り替える
長いセリフや同じようなセリフ回しが続いてしまうと、審査員や採用担当者が飽きてしまう可能性があります。
飽きさせないためには、セリフの合間に行うブレスのたびに表現や演技を変えることがポイントです。
また、セリフのなかで連続して同じ表現を使わないことも意識すると良いでしょう。
リップノイズを防ぐ
リップノイズとは、唇や舌の動きによって生まれる雑音です。声優はマイクのすぐ近くでセリフを話すため、少しのリップノイズでもマイクが拾ってしまいます。
リップノイズの原因は、唇の乾燥や唾液の多さが原因と言われています。
録音前は特に念入りに口腔ケアを行い、適度にうるおいのある状態を保ちましょう。
自宅で録音する場合は機材をそろえる
録音は、専用スタジオをレンタルできれば問題ありませんが、簡単にはできない方もいるでしょう。自宅で録音する場合は、少なくとも以下の機材をそろえるのがおすすめです。
- ヘッドホン・マイク
- パソコン・スマートフォン
- 音声編集ソフト
マイクは「コンデンサーマイク」「ダイナミックマイク」の2種類があります。それぞれ音質の良さやノイズの拾いやすさでメリット・デメリットが異なるため、録音する環境に合わせて選びましょう。
録音したボイスサンプルを編集をするためには、パソコンやスマートフォン、さらに音声編集ソフトも必要です。音声編集ソフトは無料のものから有料のものまで、機能によってさまざまな種類があるため、使用する頻度や機能に応じて選ぶのをおすすめします。
魅力的なボイスサンプルを作るならテアトルアカデミー
ボイスサンプルを作りたいものの、1人で作るのに自信がない方や、どうすれば良いサンプルになるのか分からない方は、テアトルアカデミーの「声優コース」がおすすめです。
テアトルアカデミーは俳優や声優、歌手など目指す分野に応じて専門的なレッスンが受けられる環境があり、基礎から実践的なスキルまで広く修得できます。
声優コースでは、現役のプロ声優や、何人もの声優を輩出してきたプロ講師陣によるレッスンを受けられます。
ボイスサンプルを作る際の不安や疑問について、きっと有益なアドバイスがもらえるでしょう。学んでいくうちに、自分の声の魅力や向いているキャラクターが分かってくるかもしれません。
レッスンはすべてオンラインで受講できるため、さまざまな経験を積みながら、声優に必要なスキルを高められる環境が整っています。
自分らしいボイスサンプルで声優デビューしよう!
ボイスサンプルは、声優にとって名刺とも言える大切な存在です。オーディションを受ける際や仕事に応募する際に、自分の声の特徴や魅力、演技の幅を伝えられるよう念入りに準備しておきましょう。
未経験から声優を目指していて、自分らしいボイスサンプルを作るならテアトルアカデミーの声優コースがおすすめです。専門的・実践的なレッスンを受けながら自分の声の特徴や魅力を把握し、オリジナルのボイスサンプルを作りましょう。
オーディションは無料で参加でき、随時開催しているため、まずは気軽にエントリーしてみてはいかがでしょうか。