ロックやヘビーメタルなどでよく使われる「シャウト」は、力強く叫ぶような発声方法で、楽曲に激しさや感情の高まりを加えるテクニックの一つです。
しかし、間違った方法で行うと喉を痛める原因にもなるため注意しましょう。
この記事では、シャウトの基本や種類、正しい出し方、練習時の注意点について解説します。
シャウトとは?
シャウトとは「叫ぶ(shout)」という意味を持ち、言葉の通り叫ぶような力強い発声方法で、ロックやヘビーメタルなどの楽曲でよく使われます。
通常の歌声とは異なり、激しいエネルギーや感情を込めて声を張り上げることで、楽曲に迫力や熱量を加える効果があります。
特にハードロックやメタルでは、シャウトが曲の特徴や個性を際立たせる重要な要素です。
シャウトにはいくつかの種類があり、適切な発声法を身に付けることで喉への負担を抑えつつ迫力ある声を出せるようになります。
しかし、間違った方法で行うと喉を痛めてしまうこともあるため、正しいテクニックを学ぶことが大切です。
シャウトの種類
シャウトには大きく分けて「フライスクリーム」と「フォールスコードスクリーム」の2種類があります。
それぞれ発声の仕組みや音の特徴が異なり、使い方によって楽曲の雰囲気を大きく変えることができるため、自分に合ったスタイルを見つけましょう。
フライスクリーム
フライスクリームは、喉の奥でかすれたような音を作り出すシャウトの一種です。
声帯を閉じた状態で息を流し、摩擦によって独特の歪んだ音を出します。ロックをはじめ、さまざまなジャンルのボーカルで使用され、高音で突き抜けるような音が特徴です。
中音域~高音域を中心に使われ、「あ゛あ゛あ゛あ゛」というエッジボイスを発声のベースとしています。
フォールスコードスクリーム
フォールスコードスクリームは「ダミ声」「がなり声」とも呼ばれ、仮声帯を使って出すシャウトです。
デスボイスの一種としても知られ、メタルやデスメタルの低音域のボーカルでよく使われます。フライスクリームよりも深みのある重低音で、うなり声のような響きを持つことが特徴です。
声帯を開いて発声するためポイントを押さえる必要があり、無理に力を入れると喉を痛めるリスクが高まります。
シャウトの出し方を紹介
続いては、フライスクリームとフォールスコードスクリームの出し方について解説します。
フライスクリームの出し方
フライスクリームは、声帯を閉じた状態で息を流し、喉の摩擦によってかすれた音を作り出す発声方法です。
フライスクリームの出し方は、以下の通りです。
- 喉に力を入れすぎると声が詰まりやすくなるため、リラックスした状態を保つ
- 喉の奥で「んー」と低く響かせるようなハミングをする
- 「あーー」と息を多めに含ませながら発声し、少しずつザラついた音を加えていく
- 「イヤー」「イエー」などの発音で発声しながら音が響く位置を探す
エッジボイスの状態で息を強く吐き、叫ぶように発声するのがポイントです。
このとき、無理に大きな声を出さず、一定の息の流れを維持することを意識しましょう。
フォールスコードスクリームの出し方
フォールスコードスクリームは仮声帯を使った発声方法で、深みのある重低音を出すのが特徴です。
フライスクリームの出し方は、以下の通りです。
- 口を大きく開け、喉を開く(喉仏を下げるイメージ)
- 息を強く吐き出しながら「う゛ん゛ん゛」と地鳴りのような音を出し、喉(仮声帯)を振動させる
- 「う゛ーん゛」をうなるように伸ばしていく
- 口をすぼめながら、うなりに少しずつ声を混ぜる
- 息の量と声のバランスを取る
フォールスコードスクリームは声帯を開いたまま大量の息を吐き、地声で発声するのがポイントです。息を吐くこと、お腹を使うことを意識しながら行うと良いでしょう。
シャウトの練習時に気を付けたいポイント
シャウトは迫力のある表現が魅力的なテクニックですが、間違った練習方法を続けると喉を痛めてしまう可能性があります。
特に初心者の方は、正しい発声を意識しながら無理のない練習を行うことが重要です。
ここでは、シャウトの練習時に気を付けたいポイントを紹介します。
ウォーミングアップをする
シャウトは喉に負担がかかる発声方法のため、練習前にしっかりとウォーミングアップを行うことが大切です。
軽いストレッチや運動で首まわり・肩の筋肉をほぐして身体をリラックスさせる、リップロールやハミングで喉や声帯の緊張をほぐす、腹式呼吸で息の量を安定させるなどの方法がおすすめです。
ウォーミングアップを習慣にすることで、シャウト時の喉への負担を軽減し、安定した声を出せるようになります。
無理に叫ぶのは避ける
シャウトを出そうとしてむやみに大声で叫ぶと、喉を痛めるだけでなく正しい発声を身に付けるのが難しくなります。
無理な発声は声帯に負担がかかり、声が枯れたり、炎症を起こしたりする原因になるため、練習をする際は以下のポイントを押さえて行いましょう。
- 腹式呼吸を意識する
- 最初は小さな音量で練習し、徐々に強さを増していく
- 喉に違和感を覚えたら、すぐに休憩を取る
- 乾燥を防ぐために、こまめに水を飲む
- 長時間の練習はしない
プロのレッスンを受けるのもおすすめ
シャウトは独学でもある程度習得できますが、喉を痛めずに安定した発声を身に付けるためには、プロのレッスンを受けるのが効率的です。
専門のボイストレーナーに指導を受けることで、自分に合った発声方法を学べるでしょう。
シャウトを出すには喉を開いて高音を出すことをはじめ、喉を開いて高音を出すことやファルセット・ミックスボイス・エッジボイスなどのスキルが必要です。
独学で練習すると、間違った発声方法で癖が付いてしまうことがあるため、プロに正しい方法を教わりながら歌の基礎を身に付けると上達が早まるでしょう。
シャウトのやり方が難しいなら基礎から学ぼう!
シャウトは独特の発声方法を必要とするため、自己流で練習するとコツをつかむのに時間がかかることもあるでしょう。
また、喉を痛めるリスクもあるため、正しい発声法を身に付けるにはプロに教わる方法がおすすめです。
テアトルアカデミーでは、中学生〜30歳向けの「ON-LABOコース」と、31歳以上向けの「ON-LABO NEXT」の2つのコースがあり、年齢やレベルに応じて発声・発音の基礎から学ぶことができます。
レッスンはすべてオンラインのため、自宅にいながらスキルアップできることが特徴です。
さらに、希望者には楽器のレッスンや楽曲制作、セルフプロデュース・パフォーマンス、ライブ活動など、音楽活動に関する幅広いサポートが受けられます。
講師陣は音楽業界で活躍するプロのため、基礎だけでなく応用・実践的な分野まで、フィードバックをもらいながら歌や音楽への学びを深められるでしょう。
シャウトの出し方を身に付けて歌を盛り上げよう!
シャウトには「フライスクリーム」と「フォールスコードスクリーム」の2種類があり、それぞれ異なる発声方法が求められます。
正しい出し方を学び、無理のない練習を心がけることで、喉を痛めずに迫力のあるシャウトができるようになるでしょう。
また、正しいシャウトを習得するにはファルセットやミックスボイスなどのテクニックを身に付けることも大切です。
独学での習得が難しいと感じたら、テアトルアカデミーの「ON-LABO」でプロのレッスンで、基礎からしっかり学び、シャウトをマスターして歌の表現力を高めましょう。