歌がうまくなりたい、歌の表現力を高めたいと考えている方にとって、「こぶし」は習得したいテクニックの一つです。
こぶしは演歌や民謡、J-POPで使われることが多く、歌に深みや感情を加える独特の味わいを生み出します。
しかし、「ビブラートとは何が違うのか」「どのように出すのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、こぶしの基本から出し方、練習のコツ、さらにはおすすめの練習曲まで詳しく解説します。
こぶしとは?
こぶしとは、歌のなかで音程を一瞬だけ上下させたり、細かく揺らしたりするテクニックのことです。
特に民謡や演歌、J-POPなどで多用され、歌に独特の味わいや感情表現を加える役割を果たします。
一般的には、特定の音を発声した際に瞬時に音を上げてから元の音に戻すことで「うねる」ような効果を生み出します。
こぶしは単なる音の揺れではなく、歌の感情を強調するために使われるため、正しく習得すると表現力が大きく向上するでしょう。
また、こぶしはカラオケでも採点基準の一つとして扱われることがあり、習得すると高得点を狙いやすくなることもメリットと言えます。
ビブラートとの違い
こぶしとビブラートはどちらも歌における音の揺れを利用するテクニックですが、特徴はそれぞれ異なります。
こぶしは短時間で音程を瞬間的に上下させることで、歌に独特の「うねり」を加えます。
一方、ビブラートは一定の音を保ちながら、規則的に細かく音を揺らすことで響きを豊かにする技法です。
ビブラートはロングトーンに適しており、クラシックやポップスなど幅広いジャンルで使われますが、こぶしは民謡や演歌のように、より感情を強調する場面で効果を発揮します。
それぞれの特徴を理解し、楽曲に応じて使い分けることで、より表現力豊かな歌い方が可能になります。
ビブラートについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
こぶしの出し方を解説
こぶしを上手に出すためには、まず基本的な発声方法を理解し、順を追って練習することが大切です。
以下では、こぶしの出し方について解説します。
声帯をリラックスさせる
こぶしを出すには、まず声帯を適度にリラックスさせることが重要です。
喉に力が入りすぎていると、音程を柔軟に変化させることが難しくなり、こぶし特有のうねりを作ることができません。
リラックスするためには、深呼吸をしながら肩や首の力を抜き、無駄な緊張を取り除くことが大切です。
口を大きく開けて「あ〜」と自然に声を出しながら、喉が詰まらずスムーズに音が出ているか確認しましょう。
また、発声前に首や肩を軽く回すストレッチを行うのも効果的です。リラックスした状態を保つことで、こぶしの滑らかな音程変化をスムーズに行えるようになります。
声帯を振動させる
こぶしの基本となるのが、声帯を使って自然に音を揺らすことです。
簡単な練習方法として、「あ〜」と声を出しながら喉に少しだけ力を入れて音を揺らすようにしてみましょう。
ビブラートのように一定のリズムで振動させるのではなく、意識的に短く細かく揺らすことを意識すると、こぶしの形に近付きます。
声帯を振動させながら音程を上下させる
こぶしの仕上げとして、声帯の振動に加えて音程を瞬間的に上下させる練習を行います。
例えば、「あー」と発声しながら、「あ↑あ↓」と一瞬だけ高い音を入れ、その後すぐに元の音程に戻す感覚をつかみましょう。
極端に音程を上下させると音を外しているように聞こえるため、自然に音程を揺らすことがポイントです。
こぶしを出す際のコツ
こぶしを上手に出すためには、適切な発声方法や身体の使い方を身に付けることが重要です。
次に、こぶしを出すときのコツについて解説します。
腹式呼吸を意識する
こぶしを出すためには、息を安定させることが不可欠です。腹式呼吸を意識することで、効率的に息を使うことができ、スムーズな音の揺れを作り出せます。
腹式呼吸の基本は、息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにへこませることです。
ゆっくりと鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出す呼吸を繰り返し行い、腹式呼吸を身に付けましょう。
身体を使いながら歌う
こぶしのタイミングがつかめない、強弱がつけにくいと感じる場合は、身体を動かしてみるのがおすすめです。
例えば、こぶしのタイミングに合わせて手のひらを握ったり、膝を軽く曲げて重心を下げたりする動作を加えることで、身体全体でリズムを感じやすくなり、こぶしの感覚がつかみやすくなります。
肺活量を鍛える
こぶしを安定させるためには、息を長く一定に吐き続ける力が必要です。
そのため、肺活量を鍛えることが重要になります。
息を深く吸い一定のペースで同じ音を発声し続けるロングトーンは、肺活量の強化に効果的です。
これにより、こぶしの音程変化を滑らかに行うことが可能になります。
一般的なロングトーンは5〜9秒ほどです。毎日数分間の練習を継続することで発声の安定感が増し、こぶしの表現力が向上します。
喉の開閉を意識する
こぶしをスムーズに出すには、喉の開け閉めをコントロールできることが大切です。
喉の開閉を意識すると、音程の変化を柔軟に行いやすくなります。この感覚を養うためにおすすめなのがエッジボイスの練習です。
エッジボイスは声帯を閉じながら発声し、ホラー映画のようなぶつ切りの低い音を出すトレーニング方法です。
エッジボイスを習得することは、こぶしだけでなく高音の発声にも役立ちます。
練習しやすい曲を選ぶ
こぶしを習得するためには、最初に練習しやすい曲を選ぶことが重要です。
初心者向けには、ゆったりとしたテンポでこぶしがはっきりと分かる演歌や民謡がおすすめです。
こぶしが多用される楽曲を選ぶことで、自然とその技術が身に付きやすくなります。
J-POPでもこぶしを多く取り入れている歌もあるため、自分の声質に合った曲を選びましょう。
最初は無理なく練習できる楽曲からスタートし、徐々に難易度を上げていくのがポイントです。
カラオケの採点モードで練習する
こぶしの習得には、カラオケの採点モードを活用するのも効果的です。
カラオケの採点モードにはこぶしの判定機能が搭載されているものがあり、正しくこぶしが出せているかを客観的に確認できます。
採点機能を使って自分のこぶしのレベルを数値化すると、改善点を見つけやすくなるでしょう。
こぶしの練習におすすめ曲
ここでは、男性向け・女性向けに分けて、こぶしの練習におすすめの曲を紹介します。
男性編
- 五木ひろし「夜明けのブルース」
- 北島三郎「北の漁場」
- コブクロ「蕾」
- 鳥羽一郎「兄弟船」
- 氷川きよし「ズンドコ節」
- 平井堅「瞳をとじて」
- 森山直太朗「若者たち」
- 米津玄師「Lemon」
女性編
- AI「Story」
- 石川さゆり「天城越え」
- 坂本冬美「また君に恋してる」
- 中島みゆき「糸」
- 一青窈「ハナミズキ」
- あいみょん「マリーゴールド」
こぶしを習得するならプロから基礎を学ぶのがおすすめ
こぶしが出せるようになると、歌の表現力がグッと高まります。
こぶしをスムーズに出せるようになるには、腹式呼吸やロングトーン、エッジボイスなど、発声の基礎を身に付けることが大切です。
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こぶしを身に付けてカラオケでも高得点を狙おう!
こぶしは歌の表現力を高める重要なテクニックの一つです。
カラオケの採点基準にもなっていて、習得できると歌唱力もグッと高まります。
こぶしを出すには、呼吸方法や発声方法などの基礎的なスキルが必要です。
こぶしをはじめとした多彩な歌唱テクニックを習得して歌の表現力を高めたい方、歌手としてプロデビューしたい方はテアトルアカデミーがおすすめです。
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